お林調査 ~未来につなぐ真鶴半島の「お林」~
「お林調査」を実施しました(2024年12月14日、15日)
2015年(平成27)から継続して実施している「お林調査」を次のとおり実施しました。
1.開催日
2024年(令和6)12月14日(土曜日)、12月15日(日曜日)
2.調査内容
・プロット内のマツの周囲長調査
・プロット内の外来種調査
・プロット外のマツの周囲長及び樹冠長率調査
3.参加者
(12月14日)ボランティア22名、支援者4名、役場職員6名
(12月15日)ボランティア16名、支援者4名、役場職員6名
・プロット内のマツの周囲長調査
本来であればお林全体の樹木を調査したいところですが、現実的には難しいので、お林内に半径11.3mの円形のプロット(約400平方メートル)を43カ所(約1.72ヘクタール)設定し、さまざまな調査を行っています。
今回は、プロット内のマツの周囲長を調査しました。プロット内のマツには、2021年(令和3)に設置した「デンドロメーター」がついているおかげで効率よく調査が進みます。
計測方法のレクチャー | デンドロメーター |
・マツの本数(調査本数) 107本(うち1本は松枯れまたは倒木により消滅)
・一番太かったマツ 周囲長379.2cm
・一番成長していたマツ 周囲長+3.9cm
・プロット内の外来種調査
近年、お林を歩いているとカミヤツデやビロウなどの「外来種」が生えているのを見かけます。エリアによっては群生している場所もあり、お林内の本来期待される森の遷移を守りかねない恐れがあります。
今回の調査では、24プロット内の1メートル以上あるビロウとカミヤツデを調査し、どのエリアにどのぐらい生息しているのかを調べました。
カミヤツデ |
ビロウ ・生息プロット数 8プロット ・生息数 25本 ・一番高かったビロウ 6.1m |
今回はあくまでもプロット内に生息している上記2種について調査しました。プロット外には群生して繁茂している場所もあります。
今後も継続して調査していくこととし、駆除も含めた対策を検討していきます。
・プロット外のマツの周囲長及び樹冠長率調査
お林にはいろいろなタイプのマツがありますが、お林を見上げると樹高高く伸びたマツが印象的です。これは、昔は木々が密集しており、マツが上へ上へと高く成長した証拠です。樹高高く葉をつけ、頑張って日光を浴び、成長してきたのでしょう。
現在、高く成長したマツの周囲には昔ほど仲間の木がないため、風当たりが強く、不安定な状態になっていないか心配されます。
今回は、プロット外の道路沿いのマツの「樹冠長率」を調査しました。
樹高と枝下高を測定することによって葉っぱの量を割り出すものです。つまり、樹冠長率の数値が高ければ高いほど、そのマツは元気!ということになります。
樹高測定には、森林総合研究所のご支援により、専門の測定器を使用させていただき、参加者の皆様も体験することができました。
・一番高かったマツの樹高 44.4m ・一番高かったマツの樹冠長率 73.7% ・一番低かったマツの樹冠長率 18.7% |
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樹高計測 |
プロット内のマツにデンドロメーターを設置(2021年12月11日、12日)
2021年(令和3)年12月11日(土曜日)12日(日曜日)の2日間かけて、お林調査を実施しました。
今年度は設定した範囲内にマツに対し調査を行い、今後もお林保全の方向性を裏付けるための重要な調査として実施していくため、より正確で効率的に実施できる「デンドロメーター」を設置しました。
マツの幹にスチールメジャーやバネを付けています。
道路や遊歩道を歩いていると目に入ることもあるかと思いますが、町の貴重な財産である「お林」を保全していくために設置しておりますので、ご理解とご了承のほどよろしくお願いいたします。
調査風景
デンドロメーター設置
- お問い合わせ先
更新日:2024年12月25日