○真鶴町地下水採取の規制に関する条例
平成2年9月17日条例第13号
真鶴町地下水採取の規制に関する条例
(目的)
第1条 この条例は、法令に特別の定めがある場合を除くほか、地下水の採取について必要な規制を行い、その適正かつ秩序ある利用を図ることにより地下水の水源を保全し、もって公共の福祉に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 井戸 動力を用いて地下水を採取する施設をいう。
(2) ケーシング 井戸に設置する鋼管等をいう。
(4) 第2種指定地域 特に地下水の塩水化等を防止するために、その適正な利用を図るべき地域として別表第1に定める地域をいう。
(5) 第3種指定地域 地下水の塩水化等を防止するために、その適正な利用を図るべき地域として別表第1に定める地域をいう。
(6) 第4種指定地域 前号に定める地域に準じ地下水の適正な利用を図るべき地域として別表第1に定める地域をいう。
(7) 開発区域 宅地開発事業、中高層建築事業、建築物の建築、特定工作物の建設又は土地の区画形質の変更に係る土地の区域をいう。
(設置の規制)
第3条 第1種指定地域においては、井戸を設置してはならない。
2 第2種指定地域、第3種指定地域及び第4種指定地域において井戸を設置する場合は、ケーシングの口径、揚水機の吐出口の口径、揚水量、井戸の最深部の位置及び揚水機の吸込口の位置は、別表第2に定める基準によらなければならない。
3 一の開発区域において、2本以上の井戸を設置してはならない。
(設置の許可)
第4条 第2条第3号から第6号までに定める地域(以下「指定地域」という。)において井戸を設置しようとする者は、町長の許可を受けなければならない。ただし、公共の用に供する井戸であって、規則で定めるものを設置しようとする者については、この限りでない。
(許可の申請)
第5条 前条の許可を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を町長に提出しなければならない。
(1) 住所及び氏名又は名称(法人にあっては、事務所の所在地、名称及び代表者の氏名)
(2) 井戸の設置場所
(3) 地下水の使用目的
(4) 揚水設備の構造
(5) 揚水機の定格
(6) 1日当たりの最大揚水予定量及び年間揚水予定日数
(7) 工事着工及び工事完了予定年月日
(8) 工事施工者の住所及び氏名(法人にあっては、事務所の所在地、名称及び代表者の氏名)
(9) その他規則で定める事項
2 前項の申請書には、規則で定める図書を添付しなければならない。
3 申請書の提出の際に工事施工者が未定の場合は、決定次第速やかに届け出なければならない。
(許可の基準等)
第6条 町長は、前条第1項の申請書を受理したときは、速やかにこれを審査し、その結果を遅滞なく申請者に通知しなければならない。
2 町長は、前条の規定による申請の内容が第3条に定める規制基準に適合しないと認められるときは、第4条の許可を与えてはならない。
3 町長は、前項の規定にかかわらず、前条の規定による申請に係る井戸により地下水を採取することが地下水の水源の保全に著しい支障を及ぼすおそれがない場合において、その井戸により地下水を採取することが不可欠かつ適当であって、他の水源をもって代えることが著しく困難なときは、第4条の許可をすることができる。
(変更の許可)
第7条 第4条の許可を受けた者(以下「使用者」という。)が、その許可に係る申請内容のうち第5条第1項第2号から第5号までに規定する事項のいずれかを変更しようとするときは、町長の許可を受けなければならない。
(許可の条件)
第8条 第4条又は前条の許可には、条件を付することができる。
2 前項の条件は、指定地域における地下水の水源の保全又は許可に係る事項の確実な実施を図るため必要な最小限度のものに限られ、使用者に不当な義務を課すものであってはならない。
(施工時の義務)
第9条 使用者は、許可事項を表示した規則で定める表示板を第4条又は第7条の許可に係る井戸の工事現場に掲示しなければならない。
2 使用者は、揚水機を取り付ける前に、規則で定めるところにより、井戸の構造等が許可の内容に適合するものであるかどうかについて、町長の確認の検査を受けなければならない。
3 使用者は、前項の確認を受けた井戸に、規則で定める確認済証をはり付けておかなければならない。
(氏名等の変更の届出)
第10条 使用者は、その住所又は氏名若しくは名称に変更があったときは、遅滞なくその旨を町長に届け出なければならない。
(揚水機の更新の届出)
第11条 使用者は、故障、老朽化その他の理由で揚水機を更新したときは、第7条の規定が適用される場合のほか、遅滞なくその旨を町長に届け出なければならない。
(許可の承継)
第12条 第4条の許可を受けた井戸(以下「許可井戸」という。)を譲り受け、又は借り受けた者は、当該許可井戸の使用者の地位を承継する。
2 使用者について相続又は合併があったときは、相続人又は合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人は、使用者の地位を承継する。
3 前2項の規定により使用者の地位を承継した者は、遅滞なくその旨を町長に届け出なければならない。
(廃止の届出)
第13条 使用者は、次の各号のいずれかに該当するときは、遅滞なくその旨を町長に届け出なければならない。
(1) 井戸により地下水を採取することを廃止したとき。
(2) 前号の場合のほか、井戸を廃止したとき。
(許可の失効)
第14条 使用者がその許可井戸につき前条各号のいずれかに該当するに至ったときは、その許可井戸に係る第4条の許可は、その効力を失う。
(許可の取消し)
第15条 町長は、偽りその他不正な手段により第4条若しくは第7条の許可を受けた者、同条の許可を受けなければならない事項を許可を受けないでした者、第8条第1項の規定により許可に付した条件に違反した者又は第4条若しくは第7条の許可の日から1年以内に工事に着手しない者に対して、第4条又は第7条の許可を取り消すことができる。
(改善命令等)
第16条 町長は、次の各号のいずれかに該当する者に対して、期限を定めて井戸の構造若しくは使用目的の変更を命じ、又は井戸の使用の一時停止若しくは廃止を命ずることができる。
(1) 第4条又は第7条の許可が取り消された者
(2) 第4条又は第7条の許可を受けないで井戸を設置した者
(3) 第9条第2項の確認の検査を受けないで揚水機を取り付けた者
2 前項の規定による命令を受けた者が、その命令に基づき改善の措置をとったときは、その改善措置をとった日から10日以内に、規則で定めるところにより、その旨を町長に報告しなければならない。
3 町長は、地下水の適正な利用を図るため、井戸の改善等に関する指導又は助言勧告をすることができる。
(使用者に対する緊急措置)
第17条 町長は、地下水の採取によるその枯渇、水位低下又は塩水化等予想できなかった特別の事情の発生により、地下水の水源の保全を図るため緊急の必要があると認めるときは、使用者に対し、相当の期間を定めて、許可井戸による地下水の採取を制限すべき旨を命じることができる。
(報告の徴収)
第18条 町長は、この条例の施行に必要な限度において、使用者に対し、許可井戸の揚水量、水位、水質等の状況に関し報告をさせることができる。
(立入検査)
第19条 町長は、この条例の施行に必要な限度において、当該職員に許可井戸の設置場所に立ち入り、許可井戸その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。
(委員会の意見聴取)
第20条 町長は、第6条第3項、第16条第1項又は第17条の規定による処分をしようとするときは、真鶴町地下水対策委員会(以下「委員会」という。)の意見を聴かなければならない。
(規則への委任)
第21条 この条例に定めるもののほか、必要な事項は規則で定める。
(罰則)
第22条 次の各号のいずれかに該当する者は、3万円以下の罰金に処する。
(1) 第4条又は第7条の許可を受けないで井戸を設置した者
(2) 第11条又は第13条の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
(3) 第16条第1項又は第17条の規定による命令に違反した者
(4) 第19条第1項の規定による立入検査を正当な理由なく拒み、妨げ、又は忌避した者
(両罰規定)
第23条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して前条の罰金刑を科する。
附 則
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から施行する。
(経過措置)
2 この条例の施行の際現に井戸を設置し、又は井戸の設置工事に着手している者は、この条例の施行の日から起算して90日以内に町長に届け出た場合は、その者を第4条の規定による許可を受けた者とみなし、この条例の規定を適用する。ただし、町長が地下水の水源の保全を図る上で著しく支障があると認める井戸を設置し、又は設置しようとする者については、この限りでない。
3 町長は、前項ただし書の規定により既に設置され、又は設置工事が着手されている井戸について認定を行おうとするときは、委員会の意見を聴かなければならない。
附 則(平成12年3月13日条例第4号抄)
(施行期日)
1 この条例は、平成12年4月1日から施行する。
別表第1(第2条関係)

種別

地域

第1種指定地域

真鶴町岩字星ケ山、字棚下、字扇扉、字要沢、字大猿山、字棚子下、字二細山、字並松、字堀切、字石名坂、字沢尻、字新島、字赤浜、字銭神及び字馬場の区域

第2種指定地域

真鶴町真鶴字磯崎、字上山、字横吹、字大ケ窪、字東大ケ窪、字折越、字丸山、字塔ノ前、字幸路ケ坂、字風穴、字天井、字宿、字横宿、字横、字中宿、字海岸、字水ケ本、字鵐、字宮ノ上、字宮ノ前、字水尻、字山下浜、字里地、字岬、字中山、字一本松、字山下、字狐塚、字宮手堀、字大浜、字入窪、字済度、字尻掛坂、字尻掛、字新井坂、字前新井坂、字上釈堂、字下釈堂、字前枇杷窪及び字枇杷窪並びに岩字向方、字竹ノ内、字真崎、字謡坂、字平台、字大ケ尻、字浦道、字大ケ窪、字上野、字丸山、字土肥道及び字下塔ノ前の区域

第3種指定地域

真鶴町真鶴字深渕、字三枚畑、字城之本、字城口、字塔ノ入(国道135号以南の区域に限る。)、字丁塚山及び字立ケ窪並びに岩字橋ノ上(国道135号以南の区域に限る。)、字瀧ノ元、字清水沢、字台ノ坂、字宮ノ上、字専祖畑、字上塔ノ前及び字風越の区域

第4種指定地域

第1種指定地域、第2種指定地域及び第3種指定地域を除く区域

別表第2(第3条関係)

項目

第2種指定地域

第3種指定地域

第4種指定地域

ケーシングの口径

100ミリメートル以下

125ミリメートル以下

150ミリメートル以下

揚水機の吐出口の口径

32ミリメートル以下

40ミリメートル以下

50ミリメートル以下

一日当たりの最大揚水量

75立方メートル以下

100立方メートル以下

125立方メートル以下

井戸の最深部の位置(海面基準)

マイナス30メートルの位置より上方

マイナス50メートルの位置より上方

マイナス80メートルの位置より上方

揚水機の吸込口の位置(海面基準)

0メートルより上方

0メートルより上方

0メートルより上方

備考 「海面基準」とは、東京湾平均海面を基準とすることをいう。